折り紙王子こと有澤悠河(ありさわゆうが)さん
折り紙作家、美濃手漉き和紙工房Corsoyard「コルソヤード」の紙漉き職人(かみすき)として活動している。
(紙漉き=伝統的な和紙の製法)
有澤さんが折り紙と出会ったのは、幼稚園の頃。
テレビで折り紙の折り方が紹介されており、それを見ながら折ってみたこと。紙を折るだけで何かの形になることが楽しく、また幼稚園で折った際に周りのみんなに褒められたことが嬉しくて折り紙が好きになった。
小学生の頃には本に載ってる折り方はどれも簡単にできるようになっていたが
6年生の時、今でも尊敬している折り紙作家の神谷哲史(かみやさとし)さんの本の折り紙に挑戦したところ、全く折ることが出来なった。
(神谷さんは当時、「テレビチャンピオン」という番組で折り紙チャンピオンになっていた。)
その時、有澤さんは自分にも折れないものがあることに衝撃を受けて、その悔しさから更に腕を磨くようになった。
中学生の頃には、オリジナル作品の創作や折り紙の設計の勉強にも励むようになっていたが
複雑な作品を完成させるには紙がいかに大事かということに気づき始めた。
普通の紙では、折ったり開いたりを何度も繰り返すと破れたりクタクタになる。
薄さと丈夫さを求めて文房具店を探し回ったところ、ある手漉き紙専門店に出会った。
そこで、「こんな紙があったんだ」と感銘を受けて様々な紙を集めた。
しかし、有澤さんのスキルの上達に伴って、段々と紙に求めるクオリティや要求も高くなって行き、高校生になると自分で求める紙は自分で作るしかない。
そんな思いに駆られて高校卒業後は、紙漉き職人を志すようになった。
高校3年生の時に、職人を目指すため全国の和紙工房10か所を見学。
その中から考えに共感した澤木さんの工房に就職を決意。
手漉き和紙を生業とするのは難しいというありのままの現実、それでもこの仕事の価値を守って行く将来を見据えて仕事と向き合っていることを話していただいた澤木さん。
有澤さんはここしかないと思い、澤木さんに働かせてほしいと手紙を書いたところ
澤木さんからすぐ来てほしいと連絡が入った。
その後、有澤さんは工房の裏に住み込みで働いている。
手漉き和紙という、すごい歴史のある技術。
それだけでは仕事としてこれからも残していくのは難しいけれど、折り紙作家というまだまだ前例のない職業と紙漉き職人という職業を組み合わせることでこれからも残していきたいと想いで日々活動している。
有澤さんのブログでは折り紙の作品を定期的に公開している一方、職場の工房では和紙の製造だけに留まらず折り紙アクセサリーの制作などにも携わっている。
(有澤さんの作品)
(手漉き和紙工房「コルソヤード」で販売されているオリガミジュエリー)
有澤さんが王子として知名度を上げたのは「マツコの知らない世界」に出演したことがきっかけ。
(番組中でマツコさんをイメージして有澤さんが作った折り紙)
テレビで放送されて初めて自身が王子として取り上げられていることを知ったそう。
その他、複数のメディアや雑誌への出演、また書籍出版も行い活躍している。